2021 6月 04

マーケットスポットライト:日本における案件モメンタムの高まりと楽観的見方

By Robert Torio, Content Marketing Manager, APAC

 

マージャーマーケットのデータによると、2021年第1四半期の日本企業を対象としたM&A案件(インバウンド案件および国内案件)は156億USドル・125件と、前年同期の130億USドルから増加した。

これは日本のM&Aの回復を示唆するものだろうか。

パンデミックが及ぼす経済的影響は、アジア太平洋全域でのパンデミックの進行具合と同様、多様なものとなっている。経済活動は全域で鈍化したものの、一部の経済はより迅速に回復しつつある。日本では、同地域の回復を背景にM&Aが引き続き耐性を示している。

マージャーマーケットとデータサイトが最近共催したウェビナーでは、ディールメーカーが2021年第1四半期の日本のM&A活動について振り返った。また、オーナー(創業者)系企業の事業承継や企業再編を促す政府の取り組みなど日本特有の問題についても討議した。

PwCシンガポールの東南アジア地域 日本企業ディールサービスおよびシンガポール日本企業サービスの統括責任者、平林康洋氏がパネリストとのディスカッションを主導した。

  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 マネージングディレクター 竜口敦
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所 パートナー 佐橋雄介
  • オリックス 執行役 渡辺展希
  • データサイト 日本責任者 清水洋一郎

 

企業の再編とPEの動きが国内M&Aをけん引

国際通貨基金(IMF)は2021年の日本の経済成長率を3.3%と予測した。2021年第1四半期の国内M&A取引をけん引したセクターは工業・化学(I&C)およびテクノロジー・メディア・通信(TMT)だった。M&Aのけん引要因は前年とほぼ変わらずとなり、セルサイドとバイサイド双方が国内で活発な動きを見せた。

2021年のM&A活動をけん引する要因として、ウェビナー出席者のおよそ50%が企業によるカーブアウト/事業売却/事業再編、41%が積み上がったドライパウダー/プライベート・エクイティ(PE)の動きと回答した。

 

クロスボーダー案件の課題への対応

パネリストは、国毎にワクチン接種や移動制限の度合いが異なるなか、クロスボーダー案件が抱える課題と機会について意見を交わした。渡辺氏は、海外案件については現地スタッフを活用してM&A を実行するとともに、質の高い案件のクローズに向けてセルサイドのキーパーソンと直接的な関係を築くと述べた。

2021年の国内M&A市場で成功するために最も重要な要因は何かとの質問に対するウェビナー出席者の回答を見ると、出席者もこの考えに同意していることが窺える。ディールメーカーの約60%が、戦略およびターゲット企業の特定と選別がカギになると答えた。また、約5分の1が、案件を迅速かつ(オンラインで)バーチャルにクローズすることがさらなる価値の実現につながると回答した。

 

テクノロジー強化による効率性

清水氏は、パンデミックがM&Aプロセスの効率化に対するニーズを高めたと指摘し、AIが書類の準備などの効率性を高めるために活用されていると付け加えた。

テクノロジーやデジタル化によって最も強化されるM&A分野について、ウェビナー出席者の半分以上がデューデリジェンスと回答した。また、15%がアセットマーケティングと答えた。

清水氏は、M&A業界で新たに出現するニーズに対応するため、またディールメーキングのプロセスを強化するため、データサイトは今後も自社ソリューションを刷新し続けていくと表明した。 国内のM&A活動やトレンド、トップ案件、トップビッダー、注目のセクターについては、Deal Drivers: APAC Q1 2021からご覧いただけます。

 

ディールメーカーが2021年第1四半期の日本のM&A活動について振り返った。また、オーナー(創業者)系企業の事業承継や企業再編を促す政府の取り組みなど日本特有の問題についても討議した。

ご視聴はこちら

Deal Drivers: APAC Q1 2021

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