By Robert Torio, Content Marketing Manager, APAC
Datasiteとマージャーマーケット共催によるウェブフォーラム「M&Aディール・ドライバー:日本 2021 – 2020年第4四半期の日本市場でのM&Aと今後における注目点」から見えた将来像
日本企業によるM&Aは、国内案件の回復とクロスボーダー案件の増加により案件・金額とも急増している。2020年第2四半期に発表された国内案件は71件、金額ベースで78億6000万ドルであったが、これに対して第3四半期は83件、金額ベースで541億1000万ドルだった。
業界再編の動きはそのペースを速めているようであり、一部のセクターにおいてはその傾向が顕著になると予測されている。大企業もコア事業への集中を強化して、非中核事業売却のペースを加速させている。一方、第3四半期のアウトバウンド案件については、案件数は27で、第2四半期の実績(案件数48、金額ベースで44億7000万ドル)より案件ベースでは21件少ない結果となったにもかかわらず、金額ベースでは153億1000万ドルとなり、前期比3.42倍と急増した。
ライブ・パネルディスカッション では、株式会社 KPMG FAS パートナーの石井秀幸氏を中心に、国内M&A業界のトッププレーヤーの方々から今後の見通しやM&Aの実例について直接お話を伺います。
アジア・太平洋(APAC)地域のM&A担当者を対象に今年5月に実施したアンケートでは、日本のM&A状況の見通しについてポジティブな見方をしている回答者は半数弱で、ネガティブな見方を示した回答者は3割強見られた。半年後に実施した同じアンケートでは、少なくとも70%の参加者がポジティブな見通しを予想している。
市場の予想では、今年末から2021年第1四半期にかけて、銀行融資の引き締めにより財務状況の悪化した企業、あるいは経営破たんした企業の売却案件が増加するとみられている。また、企業が自社のバランスシートの軽量化を進めるため、国内外の資産売却などの事業再編にからむ案件も予想されている。
オンラインフォーラムの参加者の約3割が、今後1年間では合併・業界再編が日本におけるM&Aの主流になると予測しており、次いで28%の参加者が国内資産の買収・売却を挙げている。また、海外資産の買収・売却が主流になるとの見方を示した参加者も4分の1近くみられた。
M&A案件の成立にテクノロジーが果たす役割はこれまでになく重要になっている。
アンケート回答者の少なくとも4割が、今日M&A案件を成立させるためには、オンラインでのデュー・デリジェンスの実行能力がカギになるとしている。案件成立のスピード化・効率化が図れるツールを重要要素に挙げた回答者も3割強みられた。
市場の予想では、今年末から2021年第1四半期にかけて、銀行融資の引き締めにより財務状況の悪化した企業、あるいは経営破たんした企業の売却案件が増加するとみられている。また、企業が自社のバランスシートの軽量化を進めるため、国内外の資産売却などの事業再編にからむ案件も予想されている。
こうした状況でディールメーカーは、どのような業界のどのような投資機会に注目すべきか?