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ブログ2026年9月8日

市場の注目点:IPO市場の活況を受け、HKEXが好調

ハイライト

  • HKEXは急速に立ち直り、2025年にIPOで世界トップとなり、2026年もこの資金調達の勢いを維持しています。
  • 一連の大型上場は、主要な資金調達場所としての香港の役割を引き続き強化しています。
  • 重複上場、2種類株式構造、非公開上場申請がHKEXの競争力を強化しています。

香港証券取引所は回復力があることを示しました。2022年には、コロナ禍とマクロ経済の逆風が活動を圧迫し、IPO金額は前年比68.4%減の約133億米ドルと、10年ぶりの低水準に落ち込みました。

その後、状況は大きく好転しました。HKEXは立ち直り、2025年のIPOによる資金調達は世界最大となり、調達額は374億米ドルに達しました。

2026年もこの勢いは続きました。同取引所の上半期のIPO金額は過去2番目に多く、87銘柄が上場し、合計268億米ドル相当の資金が調達されました。IPO銘柄の業種構成は幅広く、人工知能関連の企業群とインドネシアの鉱山会社Merdekaの重複上場が好調な1年を導く土台となりました。

下半期はさらに勢いが増しました。AIデータセンター向け光学部品を製造する中国のZhongji InnoLightが、香港で2019年以来となる68億米ドルの大型IPOを実施して7月下旬にHKEXに初上場しました。一方、ファストファッション小売のSheinは、米国とロンドンでの上場を断念し、代わりに香港での上場を選択し、17億米ドルのIPOを実施して9月1日にHKEXに初上場しました。

両銘柄とも上場後の株価はさえません。しかし、それはHKEXの問題というよりも、Zhongjiの場合はAIセクターをめぐる懸念、Sheinの場合は成長見通しの不透明さといった銘柄固有の問題であるようにみえます。

重要な点は、上場が見込まれる企業が数多くあるということです。これは、国際金融センターおよび株式資本市場の主要な取引所としての香港の地位を強化しようとHKEXが数年にわたり一丸となって取り組んだ成果を明確に示しています。

HKEXの魅力を高めている要因は2つあります。1つは重複上場という選択肢を提示したこと、もう1つは、直近の規制改革により、一部株主の議決権を強化した2種類株式構造を許容し、また、すべての企業に非公開IPO申請を認めたことです。

なぜ重複上場が重要なのか

米国のみに上場している企業は、アジアの取引所での取引を好む、あるいはそういった取引に限定されているアジアの機関投資家にほとんどアクセスできない可能性があります。香港市場への上場によって、企業は新規発行時であれ流通市場であれ、アジアや中国本土の資本にアクセスすることができます。グローバルな機関投資家を求めている香港上場企業にとってはその逆のことが言えます。

企業にとって、国際的な緊張が高まり、市場の細分化が進む中で地政学リスクや規制リスクを管理することの重要性が高まっていますが、重複上場はこれらのリスクの管理にも役立ちます。

HKEXにとって、重複上場は非中国企業を含む海外に上場している主要企業の誘致につながり、市場の流動性を拡大し、重要な上場ハブとしての香港の地位を強化します。昨年は鉱業やバイオテクノロジー、消費財、ヘルスケアなどのセクターから、インドネシア、シンガポール、タイ、カザフスタン、UAE、米国の企業を含む国際企業7社が香港でのIPOを選択しました。重複上場という選択肢は明らかに企業を引き付ける力を持っています。

議決権

HKEXは7月、その地位をさらに強化しました。HKEXは、一部の株主の議決権を強化する2種類株式構造を許容し、また、非公開IPO申請を適格企業だけでなくすべての企業に認めると発表しました。

これらの変更は、世界的な競争力を維持し、米国の取引所や中国本土市場、ロンドン(最近、中国企業の上場を誘致するために監査規則を緩和)からの高まる競争圧力を回避するためにHKEXが行っている広範な取り組みの一環です。これらの変更により、2種類株式構造や非公開申請が昔から認められてきた米国の取引所に香港の体制が近づくことになります。

HKEXは、市場のニーズに耳を傾け、世界のトレンドを把握し、競争力向上に前向きに取り組むことを規則緩和を通じて示しています。

こうした変化は、香港の持つ柔軟性やグローバルおよびローカル資本へのアクセスの良さを背景に、より多くの企業を香港に引き寄せると考えられます。ディールメーカーにとって、香港のIPO市場は引き続き注目すべき市場です。

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