2022 2月 28

オーストラリアのメガ年金ファンドがクロスボーダーM&Aで成長を目指す

イーウェン・チェン Datasiteオーストラリア&ニュージーランドエリア責任者

 

オーストラリアの年金制度は、長い間、小規模なファンドが乱立している状態でした。しかし、オーストラリア健全性規制庁(Australian Prudential Regulation Authority)の指導の下、この状況は変わりつつあり、年金基金の運用力は今後ますます盛んになりそうです。

オーストラリアのスーパーアニュエーション協会は、2021年9月末時点の同国の年金セクターは約2.5兆米ドルで、前年比18%増と報告しています。経済協力開発機構によると、この2.5兆ドルという金額は、米国、英国、カナダ、オランダに次いで世界で5番目に大きな年金資産のプールだそうです。

金融サービス規制当局では、一部の小規模かつパフォーマンスの低いファンドの運用成績を改善し、高い手数料など非効率性の抑制を目指しているため、昨年はファンドの統合が相次ぎました。2020年10月から2021年10月に、オーストラリアでは過去最高となる15件の年金ファンドの合併が行われました。

 

スーパーアニュエーションファンドがM&Aを後押し

30年間の年金積立が義務付けられているオーストラリアでは、少数の専門ファンドに加え、よりパフォーマンスが高く、国際的な競争力のあるメガファンドが中心となって、スーパーアニュエーションが展開されることになるでしょう。わずか3年前、オーストラリアには200以上のスーパーアニュエーションファンドが存在しました。

M&A関係者はオーストラリアで成長する年金プレーヤーが、リスク分散のために国境を越えた大きなビジネスチャンスを求めることを期待しています。スーパーアニュエーションファンドは、この改革により競争力のあるパフォーマンスを発揮できるようになったため、投資資金として利用が可能となりました。

オーストラリアの多くの年金基金が、大口のクロスボーダーM&Aに積極的であることを公言しています。最新、2021年12月の事例として、年金ファンド「Sunsuper」が、オーストラリアの政府系ファンド「QIC」とともに、ニュージーランドで2番目に大きな医療法人である「Evolution Healthcare」の買収に関する拘束力のある契約を締結しました。

APACエリア全体のM&Aをより深く理解し、リーグテーブルや2022年に成長が期待される注目セクターを示すヒートチャート、2021年に各セクターがどのように推移したなどを確認することができます。詳細はDeal Drivers: APAC FY 2021 レポートをご覧ください。

Deal Drivers レポート:APAC FY 2021

本レポートでは、2022年のM&A活動に影響を与えるセクターと新たなトレンドについて分析しています。

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